INTERVIEW 事例紹介
住友生命保険相互会社
執行役員 兼 国際業務部長 小田 直人 様
国際業務部 担当室長 佐藤亜矢子 様
目次
※記載のご所属・役職名は、ご登壇当時のものです。
2026年1月27日(火)、第405回グローバル人材育成研究会は、当社創業者・布留川 勝が2025年末にリリースした新著『ニュー・エリート論』の出版記念イベントとして、対面での事例発表会を開催!
ゲストには、住友生命保険相互会社様(以下、住友生命様)より、執行役員 兼 国際業務部長 小田 直人 様をお迎えしました。
※役職名はご登壇当時のものです。
住友生命様には、2022年にも事例発表をいただいています。その際は、同プログラム立ち上げに至るまでの背景や思い、初年度の成果をお伺いしました。
(当時のレポートはこちらからお読みいただけます!)
今回は、当時から受講者およびご担当者として深く関わってこられた国際業務部 担当室長 佐藤亜矢子様にもお越しいただき、小田様とともに、5年目を迎えた次世代グローバルリーダー育成研修の成果を中心に、今後の展望を語っていただきました。
※役職名はご登壇当時のものです。

画面左より、当社代表福田、佐藤様、小田様、当社創業者布留川。
第1部では、布留川より、書籍出版の背景や、タイトルでもある「ニュー・エリート」の定義について解説いたしました。
『ニュー・エリート論』の前身となる、2008年出版の『パーソナル・グローバリゼーション』では、「英語力だけではない、グローバルリーダーの定義」を5つの要素で表現していました。
そこから15年以上が経過し、日本のビジネスパーソンが置かれる事業環境、個人のキャリアはますます予測不可能に。
これからの激動の時代に適応し、変化を武器に変えるための新たなグローバルリーダー像をアップデートしたものが、今回の「世界基準のビジネスパーソンが鍛える6つの知性」です。

研究会では、「自社でのオールド・エリートとニュー・エリートの割合」をディスカッションいただく場面も。ご参加者からは、「(自社の多数が)オールド・エリートである、という事を認識してなかったので、衝撃でした。その現状を直視することなく研修の構築をしたら、間違ったメッセージを送ってしまうところでした」という強い気づきのコメントもいただきました。
ニュー・エリートに変わっていくための最大の武器となるのが、「Adaptive Agility(適応的機敏性)」です。これは、グローバル化やデジタル化といった環境や状況に柔軟に適応しながら、自らを進化させ続ける力です。たとえば、日本の伝統的なビジネススタイル(年功序列、根回しなど)と、多国籍かつアジャイルに進むグローバルのビジネススタイル(成果主義、自律性など)の両方への対応。これからの時代は、この両体系を行き来できる「二刀流」人材の価値がますます高まっていきます。
だからこそ、「なぜこの力を鍛えるべきなのか」を自分に問い続け、腹落ちした上で、日々鍛えていくことが求められてくるのではないでしょうか。

では、企業はこのような「真のグローバル人材(ニュー・エリート)」を、組織の中でどのように育成していけばよいのでしょうか?
そのリアルな実践例として、住友生命様の取り組みをお話いただきました。

国内での選抜型グローバル人材育成プログラム「NGLT」(Next Global Leaders Training)は、海外出資先の増加を背景に、2021年にスタートしました。2025年度は第5期を迎え、2026年 2 月のプログラム終了を経て、輩出されるグローバルリーダーは総勢 105名に達しました。
これまでの卒業生は、海外子会社や海外事業関連部門等のさまざまな分野で活躍。
プログラムの集大成となる最終プレゼンテーションには、役員や管理職がずらりと見に来るほど、会社でも大注目のプログラムになっています。
当初は、「海外にすぐ行かない人に研修をしてどうするのか」という厳しい声もあったそうです。
しかし、海外事業割合の増加やこれからの事業環境を考えたときに、会社全体でのグローバル感覚の一層の醸成が絶対に必要である、という強いお考えがありました。
そこで、国際業務部・人事部門が一体となり、研修だけでなく、採用も含めた試行錯誤による見直しを重ねてこられました。
今では、会社全体の人財育成の中にグローバル人財育成の枠組み・視点が連携され、良い流れが形になってきていると語られました。
また、同社は管理職(リーダー)に求められるコンピテンシーの要素として、「ストーリーテリング力」や「コーチング・成長支援力」を掲げています。
これらは、自らのビジョンを語り、多様なメンバーをモチベートするための重要な能力。
しかし、日本の伝統的な「阿吽の呼吸」や「背中を見て育つ」といった環境では、なかなか身につきにくい新しいスキルでもあります。
だからこそ、言語や文化の壁を越えて自らの意思を伝えるマインド・スキルを鍛えるグローバル研修の場が、こうした新しい力を鍛える絶好の機会としても機能しているのです。
地道な取り組みを継続した結果、成果として起きたのは、「グローバル人材の輩出」だけでなく、「組織風土の変化」でした。
・メンバーの選定を人事部門と各部署が連携することで、
異動・配置に活かす仕組みづくりが構築された
・同期同士が切磋琢磨しあう関係に
・いきいきと学ぶ受講生の姿に、挑戦を後押しする風土が醸成
・継続的な自己学習やキャリアへの前向きな意欲向上
(「自分もあのプログラムに選出されるように頑張る」という社員も増加したそうです!)
・最終発表会というプレゼンの場を通じて、役員とのポジティブな対話が実現
初年度の最終発表では、聞き手から英語での質問が出なかったそうですが、今では、役員自らが英語で議論を挑む場へと進化しているというエピソードも。
まさに、これからの時代に適応し、競争力を高めていく組織のあるべき姿ではないでしょうか。
事後アンケートでも、「(住友生命様の)ご苦労も含め、これまでチャレンジされてきたことを丁寧にご説明いただき、幅広い人材に機会を提供していらっしゃることに感銘を受けた。」といったお声もいただきました。
小田様ご自身も、海外での長期勤務などを経て、共感性、ビジョン、問題解決力といった、世界で戦うための多角的な能力の重要性を肌で感じてこられたといいます。
多様な人財とシナジーを創出し、企業として成長し続けるために、「Adaptive Agility」を鍛えていくことは、個人が自立して輝くためにも不可欠です。
時間はかかりますが、志を持つ人材を見出し、信じて育成投資を行うことで、個人が変わり、そして組織も変わっていくという変化のスパイラルを実現することができるのではないでしょうか。

質疑応答やディスカッションも白熱、大盛況の記念イベントとなりました。
内容が、「制度」や「施策」にとどまらず、「人はどうしたら変わるのか?」という、より根源的な問いへと自然に深まっていったことがとても印象的でした。
お忙しい中ご登壇いただきました小田様、佐藤様、ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!
グローバル人材育成・次世代リーダー育成・赴任前研修等にご関心があるご担当者様
➡ 【こちら】より是非お気軽にご相談ください。