INTERVIEW 事例紹介
株式会社商船三井
キャリア・ウェルネス推進チーム
チームリーダー
正木寛昭 様
目次
2024年10月25日 第374回 グローバル人材育成研究会は、株式会社商船三井(以下、商船三井様)より正木寛昭様をゲストにお招きし、
商船三井様が20年以上継続して実施されている「海外研修」をテーマに、グローバル人材育成成功のカギについてお話いただきました。
セミナーの冒頭では、当社代表の福田より、海外研修の役割と効果についてお話をいたしました。
人的資本経営の加速や海外志向人材の育成、そして社員のキャリア自律の重要性が増し、
海外研修の活用を模索・見直しされる企業様が増えてきています。単に英語力を磨く・異文化理解を深める、
という点にとどまらず、実践的な経験を通じて行動変容を促す”ストレッチゾーン”を実現するために、
海外研修が活用されています。
海外研修の醍醐味は、まさに「越境」体験にあります。
社内の枠を超え、異なる文化や価値観に触れ、自分・自社・自国の強みと課題を客観的に理解することで、
自己成長を加速させるのです。語学学校への通学にとどまらず、短期ビジネスコースやフィールドワーク、
ビジネススクールなど、階層や個人に応じた越境体験プログラムを効果的にデザインすることで、
世界のどこでも誰とでも協働できる力を“早く”身につけることを可能にしています。
そんな海外研修を、グローバル志向ある若手~中堅を対象に、
なんと20年以上も継続して実施しているのが、商船三井様です。
その施策について正木様にたっぷりお話いただきました!
海を起点に世界の物流やエネルギー輸送を支える、言わずと知れたグローバル企業である商船三井様。
当社とは2002年から、海外研修はじめ、様々な人材育成の場で長きにわたり、ご一緒させていただいております。
商船三井様は、グループ経営計画「BLUE ACTION 2035」に基づき、グローバル事業体制を強化され、
グループ・グローバル一体での人財方針を「Human Capital ビジョン」として明確に策定されています。
「BLUE ACTION 2035」の達成には、「各社員が強みを活かし、プロフェッショナルとして成長することが必要不可欠」
という確固たるビジョンのもと、社員一人ひとりの自律的な学びを支援する多様な施策を展開。
海外研修は、その中でも選抜型の「越境学習プログラム」として位置付けられています。
「会社の壁、自らの心の壁を超える新たな環境で自らを鍛えて自分自身を超えていってほしい」という思いのもと、
コロナ禍明けの2023年度を契機に“越境”というプログラム名にリニューアル。
現地のビジネスパーソンと学ぶmini-MBAに加えて、企業で実際に働くインターンシップも導入し、
対象層も新卒2年目~課長級まで拡大するなど、更に多様なニーズに柔軟に対応できる体制へと進化されています。
商船三井様実施の越境学習プログラム(約3か月):
・mini-MBA (ニューヨーク・カリフォルニア)
ビジネスパーソン向け英語コミュニケーション+ビジネススキル習得コース
・インターンシップ
海外スタートアップ企業での実務/プロジェクト経験を通じ、実践的スキルを磨く(2023年導入)
では実際に、渡航された方からは、どんな反響があるのでしょうか?
・mini-MBA
「海外案件に自信をもって取り組めるようになった。海外で仕事をしている自分のイメージができ、キャリアを考える上で視野が広がった」
「現地で実際に『見て体感』することで、相手のバックグラウンドや文化の違いを理解でき、海外ステークホルダーとのコミュニケーションに活かせる学びがあった」・インターンシップ
「自分の仕事のやり方を振り返る機会になり、どの領域にチャレンジしたいのか深く考えることができた」
「行動すればもっと可能性が広がることを実感した」
「自分を売り込む瞬発的なコミュニケーションスキルを得ることができた」
実は正木様ご自身も、2016年にニューヨークで約3ヶ月の海外研修に参加されたご経験をお持ちです。
渡航当初は、ご自身が想像していた以上に
言語の壁だけではなく、コミュニケーション力、文化の違いにも苦戦されたそう。
しかし「発言しなければ何も始まらない」と気づき、発言してみると、周囲の見る目も変わってきたことを実感。
「思っているだけではなく、言葉にして伝えていくことの重要性」を感じ、
自ら積極的に意見を発信することを意識するようになったそうです。
こうしたご経験から、「日本にいてグローバルの仕事をしていてもなかなか見えにくい、
違う文化の人たちとの協働・コミュニケーションの取り方を体感でき、
その後の仕事にも生かしていくことができた」と語っていただきました。
ご自身の経験を踏まえてみても、この3か月の期間で何を学ぶかも重要ですが、
それ以上に「この研修をきっかけに継続的な学びを続けていただき、
現地での経験を通しての気づきを現場に戻ってきたときに生かしてほしい」と仰っていました。
時代の変化や社員の学び・成長のニーズに柔軟に対応し、常に工夫を重ねて
研修を進化され続けてきたからこそ、20年以上にわたって海外研修を継続されています。
派遣に際しても、「今この社員が海外研修に行くことが、その人のキャリアにとってベストなのか?」
など、ビジョンに沿って一人ひとりに向き合ったご判断をされています。そうした努力もあり、
「会社がこういった学びを支援してくれているおかげで、改めてこの会社で頑張ろうと思った」
という声もあり、エンゲージメント向上にもつながっています。
さらに、20年前に研修に参加した社員が現在は管理職となり、若手社員の研修参加を積極的に支援する
という文化も根付いており、それに後押しされて、若手社員の挑戦がさらに加速する、という
長年の歴史あってこその「好循環」を生み出されています。
研修を20年以上継続することは決して容易ではありません。一人ひとりに向き合いながら、
「個々の強みを活かし、プロフェッショナルとしての成長を促す」という明確な信念を貫き、
それに基づいてプログラムや体制を柔軟に進化させ続ける不断の努力があってこそ。
時代とともに学びのニーズは変化しますが、
変化に適応しながら成長を続けることこそが、成功の秘訣であると実感しました。
参加者の皆さんからも多くのご質問が寄せられ、大盛況のうちに終了しました。
お忙しい中ご登壇いただきました正木様、ご参加の皆様、ありがとうございました!
階層や個人に応じた越境体験プログラム、自己成長を促進する海外研修にご興味がある方、
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