布留川 勝の人材育成の現場日記

INSEADのシンガポール校を訪問して

2006/10/20

ビジネススクール

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先週末から火曜にかけてINSEAD(フランスのビジネススクール)のシンガポール校で、カスタムプログラムの打ち合わせを行ってきた。赤道直下に位置するシンガポールは、四季のない熱帯モンスーン気候でいつも日本の夏のような状態である。風邪気味であったので真夏の気候で一気に治そうと思ったが、現地はあいにくインドネシアからの森林火災による煙害で、空はどんよりし、空気も悪く当てが外れてしまった。ということで、今日もまだ咳こんでいる。

今回はカスタムプログラムのコーディネーションをアウトソースしていただいたクライアントの人事部長とこのコースのご担当者との出張である。5月に1回目の打ち合わせを現地で行い今回は2回目で1日のミーティングであったが、そのプロセスにおいてやはりトップビジネススクールのコースデザイン力、教授の質の高さは印象に残った。こちらからの要望以上の内容をよく考えて提案してくれた。

この日もキャンパスでは、欧米のグローバル企業のカスタムプログラムがいくつか展開されていた。INSEADいわく、これらのグローバル企業の強みと共通点は、『グローバルレベルで機動的に人を動かす事ができている』ということである。まあ、当然のことであるが重みのある言葉であった。 その通りで、必要な時に必要な人材がプールされていることが、グローバルビジネスで成功する条件である。日本企業の多くはこの点で、残念ながら遅れをとっている。弊社クライアントの多くは、各業界のトップ企業であるが、グローバル展開に必要な人材は十分揃っているという話はほとんど聞こえてこない。

シンガポールの町を歩いていて、車がよく磨かれていたり、ごみが落ちていないのは東京に似ている。ただ、別に洗練されているイメージはない。むしろ東京に比べるとなんとなく野暮ったい。ただ、圧倒的に違うのが『英語が通じる』という部分である。シンガポールイングリッシュ(シングリッシュ)は半分くらいしか理解できないこともあるが、ごく自然に英語を話している。必死に中国語を英語に直して話している感じはしない。INSEADがアジアにキャンパスを展開する時に、東京も候補に上がったようだが、やはりこの英語の部分もネックになったのかもしれない。日本人が英語をシンガポール人と同じレベルで話せるようになったら、東京はもっと外国資本の投資が増え、観光客が増え、さらに魅力のある大都市になるのかもしれない….とふと思ってしまった。

写真はINSEADのMBA学生用のカフェテリアである。米国ビジネススクールとの違いは学生の多国籍度(50カ国)である。

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