布留川 勝の人材育成の現場日記

謝っても許してくれないから謝らない

2012/04/26

グローバル人材育成

ダイバーシティ

PG G4月は新入社員研修ラッシュであったがようやく落ち着いてきた。左の写真は関西で行った新入社員グローバルマインド研修の一コマ。さすが関西、ノリノリであった。明日から2日間は、湯河原で弊社の社員研修である。今回は、新人も多いので、「仕事とは?」を中心にみんなで話し合う予定である。

さて、タイトルの「謝っても許してくれないから謝らない」は、異文化コミュニケーションの話である。今月の新入社員研修で、講演後に、私のファシリテーションで3名の先輩社員に来ていただきパネルディスカッションを行った。国籍はバングラディシュ、ベトナム、日本である。それぞれ独自の視点で、自分なりの異文化体験やグローバルな環境で働いたエピソードを披露していただいた。

その中で、私が印象的だったのは、ベトナム人の女性社員の話だった。彼女は8万円だけ持って来日し、ラーメン屋などでアルバイトをしながら、何とか生活費を稼いでいた。ある日そこの店長からちょっとしたミスについて怒られたそうである。ただ、ベトナムでは、そういう場合謝っても許してくれるわけではないので、謝らなかった。すると、その謝らない態度はよくないと注意された。彼女にとってはこのとにかく謝るということが大事であるということが納得できなかった。

日本では、もしそれが必ずしも自分が悪いわけでなくても少しでも関わっていれば、その場でとりあえずでも謝罪する姿勢が評価される。ある意味では、謝罪することにより許されるといってもいい。ただ、ほかの国の多くにはそのような文化がない。米国人も中国人もそういう文脈では通常謝らない
弊社の韓国人と台湾人のスタッフに聞いてみたが、彼女たちも日本に来て不思議に思ったのは、日本人はなぜこんなに謝るのだろうかと感じたそうである。そして、しばらくして「あー、とりあえず謝るんだ」ということが分かったそうである。

来日してなんどもこういう場面に遭遇すると、このとりあえず謝るというのが日本人と付き合ううえで、便利なスキルとして認識される。そして、それと類似した独特の日本スキルが身について「日本人化した外国人」になっていく例がある。外国人比率を高くして人材のグローバル化が進めたつもりが、逆に外国人社員の日本人化を進めているケースも多々見られるのは皮肉な現象である。

来日して10年たっても徹底して日本式を拒否しアメリカ式を通す米国人の友人もいるので、人によるのではあるが。

海外の現地法人や工場で、日本式を押し付けるとトラブルになる。日本人の匠の技や緻密さは大いに広めるべきものであるが、日本社会で出来上がった、日本人でもその理由を説明できないような習慣意外と不評であることを日本人はあまり気づいていない。


グローバル人材育成研究会のお申込はこちら

関連記事

人気記事

グローバル人材育成研究会【G研】のお申込みはこちら

ページ上部へ