布留川 勝の人材育成の現場日記

社内英会話レッスンの時代は終わった

2013/12/03

英語力底上げ

PG

先月末、当社クライアントで「英語力の底上げ」に向けた新しいプロジェクトが始動した。
これまで長年行ってきた、社内英会話研修を廃止して、「自己学習を促し、習慣化させる」ことに重点を置いたプログラムに切り換えた。
33名のプログラム参加者を迎え、キックオフを私と当社ディレクターの福田によるセッションで行なった。

「英語力の底上げ」は各社にとって長年の課題だ。
多くの日本企業では、「国際化」の時代である、70年代、80年代から
社員の英語力の強化に向けて社内英会話、合宿型研修や英会話学校への通学などがブームとなり大量に導入された。
しかし、90年代に入り、「Japan as No. 1」の時代がバブルと共に弾け、「Japan Passing」の時代となった。
景気後退と共に、研修価格が下がり、80年代には多くいたプロフェッショナル講師やMBAホルダーなどが来日しなくなり、質も低下していく負のスパイラルに入った。

質が下がることで、社内英会話レッスンの出席率が低下した。参加して欲しい人に参加してもらえず、出席しているのは「英語好き」ばかり。出欠管理や会場確保などで、事務局には運営の負担ばかりがかかる。当然ながら結果は出なく投資効果に対する疑問も出る。
しかし、グローバル化の波が押し寄せる中、英語はやはり必要であるため、その他有効な手もなく、従来のやり方を続けてきた

多くの日本企業における英語力強化はこのような変遷をたどってきたと捉えている。

結果どのような状況となっているか?
・70~80年代に新人英語合宿などを体験してきたはずの現在40~50代に、グローバル人材が足りない
TOEICベースでの目標は、ライバルとなる他国の企業、例えばサムスンなどと比較しても低いまま(サムスンではTOEIC900以上が当然であることに対して、日本企業では管理職は、TOEIC600を目標にする、しない、といった議論が今だに続いている)
・ネット上に無料またはローコストでの学習ツールが豊富にあり、新興国では爆発的な人気が出ている、にも関わらず「慣れた」やり方のままになっている。

この状況を打破すべく以下の流れのプログラムを組んだ。

・Why? 目的&モチベーションを明確にし、学習意欲に火をつける
・How? 英語の学び方を学ぶ
・What? 自己学習を始める・習慣化する

まず、「Why?」
ここでは、「パーソナル・グローバリゼーション」を行った。
「自分自身のグローバル化の一環としての英語力強化」であることへの認識を高めるところから始める。

英語はいつかは必要といった曖昧な動機では弱く、毎日多忙で英語を使わなくても何とかなる環境であれば長続きしない。TOEIC600以上取らないと管理職になれない・出張に行けない、という外発的動機も利かない訳ではないが、TOEIC600を取った途端に英語学習をやめてしまう、という本末転倒なことが起きる。
まずはこれからのキャリアにおいてグローバル化しないことのキャリアリスク、グローバル化した時のキャリアメリットを考え、グローバル化するためには英語以外に何が必要か、全体像を捉える。その上で、英語が出来るとどんなことが出来るか、どんな生活を送れそうか、ワクワク感のあることを考え、ビジュアル化することで、中長期的に続く内発的動機を引き出す

グローバル度チェック

そして、「How?」
週1回ないし2回の英会話研修を受けているときだけ英語を使う自分ではなく、日々のスキマ時間を使って英語を学ぶ自分を作るために、コストをかけずに手軽に始められるやり方を学ぶ。
勉強としての英語ではなく、ビジネスツールとしての英語を学ぶために、「右脳型英語学習法」を通して以下のような方法を学ぶ。

・「マイ・ストーリー」
自信を持って話せる話題のストックを増やす。

・「ひとりごとウォッチング」
目にした様子を即興で英語にして、口にしてみる。

・「一人DVD!」
好きな映画やドラマの俳優になりきって、言語・非言語まとめて演じてみることで深い記憶にする。

マイストーリー

ディクテーション

そして「What?」
自己学習の習慣化を実現するために、これから半年間、週3回の「どこでもイングリッシュ」を行う。参加者の携帯にフィリピンにいる講師から電話がかかってきて、1回10分のレッスンを行なう。レッスンでは、例えば右脳型英語学習法の「マイストーリー」を実践してみる。明るい講師陣ばかりなので、英語にあまり自信がない人でも、乗せられてしまう。そして、続けていくうちに自信がついてきて楽しくなる。そして、1回10分なので、日々の生活の一部に取り込みやすい。また、電話が「かかってくる」ことで、強制力もあるというのがミソである。

もちろん更に勉強したい人たちのために、専用サイトでは英文無料添削などもしてもらえるので、ライティング力もつけられる。

ただ、これだけでは元々モチベーションが高いメンバーであっても、半年間も続かない場合や、マンネリ化してくることも当然ながら想定される。
そこで、以下の2つの仕掛けを設けた。

1)グループで互いの状況を報告し合う
英語は時間に正比例して伸びない。Tipping Point(閾値)に達するまでは、正直効果があるのか、ないのか見えずに不安になる。
だからこそ同じ目的に向けて頑張る仲間たちで定期的にメールを出して励まし合うことで、乗り越えられる。

2)自身の「価値を高める」プログラムを定期的に行う
「英語力の底上げ」ではあるが、Why?で考えたように、英語力の向上そのものは目的ではないグローバルビジネスで通用するコミュニケーションスキルを学ぶことで、今持っている英語力の価値を高め、自分自身の価値を高められるセミナーを中間時と、最終時に実施する。そうすることで、英語を学び続けることのメリットをより具体的に感じられる。

このプロジェクトには、企画された人材育成担当マネージャー自らご参加頂く力の入れようだ。

半年後、どのような結果が生まれるか楽しみだ。
このプロジェクトの推移についてはまたレポートしたい。

尚、12月7日(土)の公開セミナーでは、ここに紹介した「パーソナル・グローバリゼーション」と「右脳型英語学習法」を体験できる1日となっている。
ご興味ある方は、ぜひ。

▼▼お申込み・詳細はこちらから▼▼
http://www.personal-globalization.com/seminar/pgseminar31_20131207.html

写真は上から、パーソナル・グローバリゼーションの様子、自分自身のグローバル度チェックの共有の様子、「マイストーリー」に挑戦している様子、ディクテーションに挑戦する様子である。


グローバル人材育成研究会のお申込はこちら

関連記事

人気記事

グローバル人材育成研究会【G研】のお申込みはこちら

ページ上部へ