布留川 勝の人材育成の現場日記

大阪G研報(第154回)「長時間労働を削減し、若手・外国人社員のリテンションに繋げるには?」(前編)

2017/10/04

グローバル人材育成研究会(G研)

ダイバーシティ

9月21日(木)、大阪にて第154回グローバル人材育成研会を行った。
今回も大阪G研ではお馴染みの光景となった、開始前のご担当者間での名刺交換会や自己紹介、意見交換など、活発な参加型研究会となることを予感させる始まりとなった。

第一部は、今直面する2つの課題~外国人社員&ミレニアル世代究との協働~と題し、私がディスカッションをファシリテートさせていただいた。

まず、初めに、ダイバーシティ(多様性)の必要性について皆さんとディスカッションした。少子高齢化による労働力不足は言うまでもないが、年金の受給年齢も70歳、75歳、80歳と遅くなる可能性がある。
また労働力不足解消のために、移民の受け入れや外国人社員の採用は、今後避けられないだろう。
当然これからの社会を担っていく、ミレニアル世代の活用も不可欠になる。『移民&外国人社員』と『ミレニアル世代』、この二つのダイバーシティの活用が企業における喫緊の課題となっている。

1. 移民&外国人社員の採用

社会や産業において、継続的にイノベーションを生み出していくためには、外国人を含めた高度人材の存在が不可欠である。ただ、外国人社員の採用も難しい上、中々定着しない。
その理由はなぜか。
まず、コミュニケーション問題である。世界中の優秀人材を採用するにあたり、日本語を話せるという必須条件は非常に大きなマイナスである。
中国や台湾・韓国には日本語の話せる人材が多いが欧米やインドなどでは非常に少ない。

その点で「社内英語公用語化」の検討も徐々に加速していく可能性はある。

また、日本特有の年功序列や終身雇用などの雇用体系の問題もある。これらは優秀であっても責任のある職務につけず、昇進や昇給が遅く、外国人社員の考えるキャリアパスとは合わないことが多い。

参加者からは、
「実際に、外国人社員がすぐにやめてしまっている」
「会社内ではこの雇用形態にそこまで不満は出ていないが、これから出る可能性が高い。また、不満がある人は海外に行ってしまった。」
「グローバル化は経営課題のひとつである。優秀な外国人が、給与体系に満足せず、来ない。日本と海外と給与制度を切り離す必要があるのでは。」
など、外国人社員採用の課題についてたくさんの意見が出た。高度経済成長期を支えてきた現在の雇用体系が、結果としてグローバル人材を雇用する上でのハンデとなっている。

2.ミレニアル世代の特徴
ミレニアル世代とは1980年代から1990年代中盤ごろまでに生まれた、現在20歳から35歳くらいの人たちを指す。日本のミレニアル世代の特徴は、ゆるい繋がりと自分なりの成功がお金や出世よりも大切であることだ。今回の参加者の中には、1名ミレニアル世代の方がいらっしゃった。その方によると、比較的、一歩引いて考えることが多く、自分からなにかを変えようとは思わない傾向がある、と分析されていた。
また、お見せしたフェイスブックのマーク・ザッカーバーグのハーバード大学卒業スピーチでは、「僕らミレニアル世代は目的を大切にしている。また、誰かがやるだろう、と考えがちなので、自分がやるという気持ちを持てるようにすることが重要だ」と述べている。

いずれ社会の中心的な役割を担う存在となるミレニアム世代と上手く付き合うための、以下3つの方法について解説させていただいた。

  • ミレニアル世代が求める上司のマインドセット:正直さ、コミュニケーション能力、親しみやすさ、自信、支援しようとする姿勢
  • 目的重視:何のために行うかなど、細かな説明が必要
  • 定期的なフィードバック:SNSなどで即座に反応を得ることに慣れているミレニアル世代の特徴を知ることによって、部下への対応は変わってくるだろう。

50代の働き方、考え方は、ミレニアル世代&外国人社員にも大きな影響を与えるということを最後にお伝えさせていただき、ソフトブレーン創業者の宋分洲氏が日本の50代についてこう語っていることをお伝えし第一部終了とした。

日本の50代は会社に固執している人が多すぎる。何もせず、ただ会社に居続けることこそ、組織にとっては裏切りになるということに気付くべき。もっと自己中心的に考えれば、世界は変わる

(後編へ続く)

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