布留川 勝の人材育成の現場日記

G研報告(179)人生100年時代を見据えた40代50代キャリア

2019/03/26

グローバル人材育成研究会(G研)

コミュニケーション

セルフエンパワーメント

ダイバーシティ

3月7日(木)に第179回G研
「人生100年時代を見据えた40代・50代キャリア
社歴の長いベテラン社員が“負債化”せず“資産”として生まれ変わるには」を開催した。非常に多くのお客様にご来場いただき、改めて関心の高さを感じた。

人生100年時代のキャリア設計

最近、よくご相談をいただくのが、40代50代のベテラン社員が元気がない、下の層から見てあまり魅力的でないという相談だ。少子高齢化が世界に類を見ないスピードで進行する日本において、労働力不足・若手の採用難は深刻な課題だ。このように社会が大きく変わる必要がある中、60歳でリタイヤする人生設計は大きく崩れ、ジェネラリスト養成が主だった企業の人材育成も大きく見直す必要がある。そんな中、組織の中で大きな比重を占める40代-50代の社員がリーダーシップを発揮していくことが求められるが、どうしたらいいのだろうか?

Learning Animals & Operation Excellence

Learning Animals型の人間 とは、「学習を続ける人材」を指し、常にアンラーニング(学習した知識や価値観を一度棄却して新たに学び直すこと)をし、コンフォートゾーンからも抜け出す、変化を楽しむ人材だ。

一方、Operation Excellence型の人間は、決められた業務や過去に例のある物事をうまく進めることに価値があり、正解を追及する人材を指す。(「How Google Works 私たちの働き方とマネジメント」より)

一人の人間の中に、Learning Animals的な側面も、Operation Excellence的な側面も両方あるだろう。しかし、今後大きな変化を迎える社会にあっては、意識的にLearning Animals的な考え方をしていく必要があり、特に、今までの社会人人生でオペレーションエクセレンスを磨いてきた40代、50代には、その転換が求められている。では、どのようにして40代、50代は、自分の転換を図っていくのだろうか?

世代によって異なる「変わる」ことへの反応

脇田講師のワークショップは、様々な問いかけに対し、自分のことを語ったり、相手の話を聞いたり、相手からのフィードバックを受けたりして、最終的に「自分が変わっていかないとね」と参加者に自ら気づいてもらう。決して脇田講師から「変わるべきだ!」というようなメッセージは発しないが、ワークショップの終了後には、「今までやっていたやり方を変えてみよう」と自然に思えてくるのだ。脇田講師によると、「変わる」ことへの反応は年代によって違うという。20代―30代は自分のキャリア進展のために「変わる」ことをポジティブに捉える傾向があるが、40代-50代は「上の世代からのダメ出し」で社会人人生の大半を過ごしてきた。そのため、40代ー50代にとって「変わる」ことは、自分たちがダメだから変わらなければならない、というネガティブに捉えられることが多く、変わることへの抵抗感は強い。

ではどうするのか?キーワードは認知だ。AさんとBさんに同じ出来事が起こっても、それぞれの認知の方法によって捉え方が変わってくる。ただ、人間はどうしても「自分がそう考えるのだから、周りの人もきっと自分と同じ考えでいるはずだ」と思ってしまう。実は、同じ出来事が起こっても違う捉え方をしている、という事実に気づき、物事の捉え方は100人100通りであることを認識することが重要だ。自分のことを話したり、自分のことを他人の人が話すのを聞いたり、自分が発する言葉、他のメンバーが発する言葉を聞くことで、様々な気づきが得られる。単なる「内省の機会」ではなく、物事の認知をチューニング(調整)することなのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私がグローバル・エデュケーションを起業したのは45歳だった。当時は、自分が講師をするなんて思いもよらなかったし、まさか毎月G研を開催することになるとも思わなかった。ただ、変わっていく周囲の環境に自分を合わせていくことを通じて、新しい領域に挑戦し、自らを変えてきたのだろうと思う。人生100年時代においては、自分自身をどんどん変化させ続けていく力が求められる。日本の40代―50代がよりリーダーシップを発揮し、自らの人生を自らの手で切り開くしなやかさと強さを取り戻してほしいと願うばかりだ。

終了後に脇田講師と当社専務の福田と。

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