布留川 勝の人材育成の現場日記

海外研修の導入に必要なこと

2009/09/15

海外研修(若手・中堅)

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私が企業の海外研修プログラムの企画、コーディネートの仕事を始めてから20年以上が経過した。2000年に弊社を起業してからは、取り巻く環境の激変もあり、さらに自由に様々な形の海外研修のコーディネートに携わる機会に恵まれた。

背景としては、国内研修では、どうしても実現しにくいニーズがあることだ。
G研38回では、UCバークレーのIsaacs氏の講演の前に、私から、『分かりやすい海外研修~海外研修の有効活用の提案』というタイトルでお話しさせていただいた。

要点は3つある。

* 海外研修の種類と特性
* 海外研修導入の成功事例・失敗事例
* 成果を出せる海外研修の3原則(ビジョン・デザイン・コーディネーション)

詳細は後日レポートさせていただくが、この20年間で、例外はあるが大方失敗してしまった海外研修例を挙げたい。

それは、MBA派遣制度である。

構造的に、日本企業の給与・評価システムや風土・文化とMBA派遣は相性が悪い。しかし、そのことに気付かず、あるいはあえて考えないようにして、20代から30代の将来を背負う人材がトップ校に派遣されMBAを取得した。
結果として80%以上が退職してしまった企業もあり、その人材がそのまま残っていれば現在40代-50代前半の中核人材である。急激なグローバリゼーションに貢献できる人材不足に苦しむ企業としては、今こそ必要な人材なのである。

覆水盆に帰らず」であるが、MBA取得後にグローバルビジネスの最前線に彼ら彼女らを配置し、経験を積ませるキャリアパスを用意しておけば、急場しのぎで外部から採用したグローバル人材とは、また違う意味で重要な位置づけである。

現在でも、客観的に見てグローバル人材・リーダーの育成とは名ばかりの研修プログラムが目に付く。
MBA派遣だけではなく、国内も含む世界中のリソースを使いこなすのは容易ではない。しかし、必ず理想に近いものがあるし、前例主義を辞め挑戦するだけの価値はある。

(写真は当日の様子)

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