布留川 勝の人材育成の現場日記

2018年10月3日(水)に行われた第173回G研「部下が育たず、長としての役割に時間が割けない.. 自立的な部下を育てるためのヒントとは!」の様子をご紹介する。

1部では、私から、今回のテーマに関連して組織の生産性を高めるために何が必要なのか?についてお話をさせていただいた。

 第1部:人口減と日本人の生産性

 中国をはじめとする新興国の経済発展の目まぐるしい昨今、日本のGDPはアメリカ、中国に続いて第3位である。GDPは生産性×人口であるから、13億9000万人の人口を誇る中国や、世界第3位の人口であり且つ経済の中心であるアメリカが高いのは当然のことだ。日本が第3位に何とかとどまっているのは日本の人口が先進国2位の1億2000万人であるから、と言い換えることさえもできるかもしれない。

多くの日本人は長期間にわたりGDP2位をキープし、現在3位の日本を誇りに思い、日本の技術力や生産性について世界でもトップクラスと認識しているはずだ。

ここで、現状の日本の生産性レベルを見ておきたい。OECD加盟国35か国を比較したときの、時間あたりの生産性は、なんと日本は20位なのだ。(出典:公益財団法人 日本生産性本部「労働生産性の国際比較 2017 年版」)  他のアメリカ、ドイツ、フランス、イギリス、イタリア、スペインなどの先進国は日本より上位だ。これは多くの日本人にとって意外なのではないだろうか。しかし、敢えてポジティブに捉えるとすれば、日本が潜在能力を発揮して、生産性を向上させれば、今後、GDPを上げられる、ということである

興味を持たれさらにデータを詳しく見たい方は、デイビッド・アトキンソン氏の「新・所得倍増論(東洋経済新報社)」をお勧めする。

日本の社会構造

しかし、その生産性向上の波の中で、社会が大きく変わる必要があるにも拘わらず、まだ高度経済成長期の産物を引きずってしまっているのが現実だ。解雇規制が存在するため企業としては、一旦採用してしまえば解雇ができないので正社員の人数は少なく見積もり、多忙になると長時間労働になってしまう。また、ジェネラリスト養成のキャリアパスは、折角入社してくれた優秀で専門性を磨きたい外国人の意欲を削ぎ離職率が高い。高度経済成長期は真面目に勤め上げ、60歳で定年し、退職金も出て年金も十分支給されると言うお約束があった。今は人生100年時代になり、年金支給開始時期も70歳から80歳を視野に入れないと現実的ではない。

人手不足だから生産性を上げるしかないのだが。。

 昨今日本企業では、人材不足が課題になっており、今や企業の2社のうち1社が正社員不足を実感している。これは過去10年で最高の割合である。近年は、少子高齢化による労働人口減少・人手不足、「働き方改革」で労働時間が減少。優秀な外国人社員もなかなか採用できず、採用後に多くが離職してしまう。マンパワー不足+労働時間の縮小の結果として「生産性を高める」以外に経済成長をキープする方法はなくなってしまった。

ワークライフバランスではなく、循環するもの

私は、生産性の向上には、セルフエンパワーメント×スキルが重要であると考えるAmazonのCEOであるジェフ・ベゾスは家庭と仕事について以下のような言葉で表現している。

「幸せな私生活を送っていたら幸福感を持って仕事に励めます。そして仕事が最高になれば家に帰ってもまた幸福なんです。バランスを取るものではなく循環するものなんです。」

私が若い頃「仕事とプライベートはきっちり分けるライフスタイル」が流行した。翌日重要な企画を提出しなければならないのに、プライベートを大事にするカッコイイ男は、「今日は大事なプライベートがあるので失礼。後は頼んだね。」と言って帰ってしまう。正直私はそういう人があまり好きではなかった。 時が経ち、50代60代に突入したプライベート重視の人物は「下流中高年」になって周囲から尊敬もされず、お金もなくプライベートが充実していないかもしれない。

私がお会いする人生の成功者たちは、仕事そのものに幸福を感じ、仕事で社会貢献している。そのために会社でも必要とされ、結果としていい給料をもらうことができ、そのおかげで、プライベートも充実し、家庭でもいい影響を与えることができる、というポジティブな循環を実現している

Sweet Spot  ー自分のやりたいことと能力がマッチするのはどこか?  ー

成功するビジネスパーソンをエンパワーするものとは何なのか。私は、True North」(変化の激しい社会にあって自分をリーダーとして導くコンパス)を見つけられているか、自分にとってのそれが何であるかを考え続けられているか、が重要であると考える。この「True North」はハーバードビジネススクールの人気プログラム・Authentic Leadershipの創始者であるBill Georgeが提唱したリーダーシップの考え方だ。自分にとってのTrue Northを考える上で、欠かせない要素の一つが、Sweet Spot(自分のやりたいことと能力がマッチするのはどこか?)という問いだ。私は30代でSweet Spotにめぐりあい、成功と失敗を繰り返しながら人生を生きてきた。自分のSweet Spotの中で切磋琢磨している状態がセルフエンパワーメントが起きている状態である。

自分が本当にやりたいこととは、何なのか?それをやれる日々を過ごしているか。短い時間ではあったが、ご参加いただいた皆様にはペアになってそれを考ていただいた。下の写真はその様子である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

長くなってしまったので第二部の藤崎講師のパートは次回に書かせて頂く。

 


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