布留川 勝の人材育成の現場日記

若手社員の海外留学を成功に導くには?

2015/10/08

エッセイ

グローバル人材育成

海外研修(若手・中堅)

若手・中堅向け研修

イギリス出張の報告が弊社専務の福田聡子からあったのでその様子をシェアさせていただく。

新入社員全員を海外に留学させている長年続くプロジェクトの途中経過視察&激励の旅だ。このプロジェクトには福田自身も大きな思いがあり、創業間もない時にこの企業のご担当者が思い描いていた企画を、すぐに形にし実現でき期待以上の成果をあげられたということで15年続いているプロジェクトだ。

参加した全員が世界中誰とでも仕事ができる自信がついたと言うし、TOEICの点数も上昇し(3ヶ月で最高は400点アップ)、確実に若手に自律的なマインドを持った層が育っているのは会社全体にとっても大きな資産となっている。また、採用でも非常に魅力的なツールになっており、グローバル志向の優秀層の採用につながっていると聞いており大変嬉しい限りだ。

そういった重要施策であるので、毎年後半に入ったタイミングでご担当者と当社のスタッフが厳しい日程で全戸訪問し(110名が散らばって派遣されてるので半端ない移動距離)激励するのだ。彼らはただ学校に行っているだけではない。自社課題を考えリサーチをし、全員が英語で帰国後に発表する(アクションラーニング)。

先日その発表会が行われたが、参加者同士の質疑もレベルが高く、外国人の新入社員のインパクトもあり新人レベルのプレゼンテーションレベルとしては非常に高い評価を受けた。

学校の変化で面白いのは、参加者国籍の推移である。近年どの学校にも多かった韓国人参加者が少し落ち着いてきている。ロシアの参加者も激減している。代わりにアフリカ諸国からの参加者、特にアンゴラから人が増えていた。オイルマネーらしい。語学学校の参加者の国籍比率は、その時々の国の経済状況の反映し興味深い。

学校訪問し、新人の成長した姿を見る話を聞くと、新人はゆとり教育と言われているが、こういう機会があれば自分の限界設定をすーっと超えて短期で成長するのだなと思った。
例えば、調査をする数にしても300人以上にインタビューをして聞いた参加者もいる。それもそんなに苦労した様子がしない。
それは、他国の参加者のハングリー精神や真剣度や価値観の違いに触発されたことに他ならないと考えている。

若手の海外留学は、設計思想そしてフォロー事務局の体制、学校の協力体制が1つになった時に大きな力を生み出すと思っている。
15年前にこの企業でこのプロジェクトを開始した時コンセプトは「英語力+異文化理解」というゆるい目標ではなく「Global Good Communicatorの育成」とした。若手とはいえ、3か月も会社の経費で留学するのであるから高い目標が必要である。先進国でも新興国でも協働できるタフで柔軟な思考を持った若者を多く輩出することは必ず後になって会社の大きな財産になると信じている。

ただ送っただけでは決してなしえないこのプロジェクトをぜひ多くの企業に体験いただきたいと考えている。

 

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