布留川 勝の人材育成の現場日記

G研報告(143回)「再考!従来型異文化研修 ~多文化の中で成果を上げる交渉術とは?~」

2017/04/18

グローバル人材育成研究会(G研)

コミュニケーション

ダイバーシティ

2月24日(金)、『再考!従来型異文化研修~多文化の中で成果を上げる交渉術とは?~』
と題して、グローバル人材育成研究会を実施した。今回は、第二部のFariza講師に加え、
来日中のThe London School GroupのMartin McDonald氏も迎え、
「これからの異文化理解研修」について体感いただく場となった。

冒頭では、「現在導入されている異文化理解研修についての課題」について意見交換をしていただいた。
すると、
「外国籍のスタッフが3年ほどで辞めてしまう」
「海外売り上げ比率が高いにも関わらず、人材育成が追いついていない」
「研修の目的を受講生が腹落ちできるまで十分に共有できていない」
といった意見が出た。

これからの世の中は、MIT 10 Breakthrough Technologies 2016 にもあるように、
「免疫工学」「教えあうロボット」「ゲノム編集」など様々な技術革新が起こり、
更に急激なスピードで変化していく。
そのような状況の中、これからはどのような異文化理解研修が必要となってくるだろうか。

旧来型の異文化理解研修は、
⋄氷山モデル
⋄ハイコンテクスト・ローコンテクスト
⋄言語非言語モデル
等、内容としては基本であり面白いが、実践的なものではなかった。

これからの異文化理解研修は、
⋄実際起こりうるケースを用いてロールプレイングをしながら<実践してみる>スタイル
⋄各受講者のパフォーマンスに対する講師の細やかなフィードバック&ソリューション
⋄海外で実際に使えるネゴシエーション(部下指導などのスキルと直結)
のように、より実践的なものが求められている。

これからの異文化理解研修については、
第二部のFariza 講師のセッションで体験いただいたので、後述させていただく。

次に、来日中のThe London School GroupのMartin McDonald氏より、
『「The London School Group」から学ぶ真の異文化理解研修』についてお伝えした。

 

The London School Groupの語学学校のポイントは以下の3点である。

① エグゼクティブ向けとして、世界中の有名企業100社以上をクライアントに持つ。
② マネージャー層のみならず、政府系機関、弁護士、医師などのプロフェッショナルから高い評価を受けている。
③ ビジネスパーソンのニーズに焦点を当て、「学校のロケーション」「サービス」「プログラム内容」等、細部に注意を払っており、そのクオリティーの高さと姿勢は他の語学学校とは一線を画している。

また、The London Groupでは、受講生も人種の多様性に富んでおり、
異文化に特化したスキルを体得できるコースもある。

実際にこの学校を視察された人事の方からは以下のようなコメントをいただいた。
・国内での選抜型グローバル人材育成プログラムの受講生(40代)を派遣したところ、
英語が非常に伸びた。
・学ぶ場所の立地、雰囲気がとても良い。学ぶ場所の雰囲気は重要である。
・受講生のスキルセットを細かくレポートしてくれるので、人事としてとても安心。
・イギリスの学校の方が、アメリカよりも多様性があって良い。

このように、The London Groupは人事としてもフォローがしやすく、受講生も各国のビジネスパーソンと学びながら英語だけでなくグローバルビジネススキルも体得できる学校である。

第二部では、
『赴任先での異文化理解不足が自社のビジネスチャンスを奪う!
~日本人が海外でも成功するための異文化協働の秘訣~』

と題して、当社パートナー講師であるFariza Abidova氏による研修を体験いただいた。

Fariza講師はウズベキスタン出身で7か国語を操るマルチリンガルである。日本の大学在学中に、異文化理解と異文化理解の不足による機会損失について関心をもち、大学時代からこれまで異文化理解についての研究をされている。Fariza講師は、研修講師だけでなく、ドイツ人、イタリア人 アメリカ人等様々な文化背景の方々とビジネスを立ち上げ、実際にビジネスをしているビジネスパーソンでもある。

 

Fariza講師の研修の興味深い点は、海外赴任経験のある日本人マネージャー200人、及び、
日本人と何らかの協働経験がある外国人ビジネスパーソン500人にインタビュー調査を実施し、その結果から得た失敗事例や成功事例を元にケーススタディを開発し、ロールプレイング形式の実践的な研修をしている点
だ。そのため、上述したようなインプット中心の異文化理解研修ではなく、実際に起こりうるケースをもとに、受講生がその場の状況を疑似体験し、考えることができる研修となっている。
参加者とのロールプレイングの前にFariza講師が仰っていたことで印象的だったことは、
「異文化コミュニケーションには「唯一の絶対的な解」はない」ということだ。重要なのは、「自分が物事をどのように分析してソリューションを見つけるか。解決するための分析のポイントを見つけること」「“一つのソリューション“で考えてしまうことで、逆効果の結果いてしまう」と言う。

その後、実際にグループ毎に2つずつケーススタディによる演習を行った。

同じケースでも、グループ毎で様々な側面での考え方があり、非常に興味深かった。そのため、参加者同士も異なる考え方から学ぶ点も大きい。更に、ケーススタディやロールプレイングを通じて実際に起こりうることを疑似体験した後に、Fariza講師よりフィードバックをいただくことで、より理解度が深まっていると実感した。

マネジメントは、日々忙しいため、異文化でのコミュニケーションについて、座ってじっくり考える時間がないのが実情だ。Fariza講師のようなロールプレイング型の研修を通じて、相手の立場になり冷静になって考えるという場は、異なる文化背景のチームメンバーを持つマネジメント、海外スタッフと仕事をしている方にとっては非常に重要である。また、Fariza講師は、英語でも日本語でも研修が可能であり、英語でロールプレイングを行うと、よりリアルにグローバルマネジメントにおいて直面する課題を体験できる。

こうした異文化研修は、日本人だけでなく多国籍のメンバーと組み合わせると更に良い。今回のG研では、参加者の中でも日本人以外の方がいらっしゃり率直な意見もいただき、お互いにとって非常に大きな学びとなった。

最後に、Fariza講師は、文化背景の異なる方とコミュニケーションで重要な点は、
「一人の個人として接すること」、いくらその人の出身国について知っていても、知っていると思わず、ゼロからスタートして個人を理解することが重要だという。これは、日本人同士との関係性でも共通する点だと感じる。

このような実践的な異文化理解研修、グローバルマネジメント研修を通じて、機会損失を少しでも回避し、日本企業が海外でも活躍し、海外の人材からも日本企業で働きたいと思ってもらえるように当社もお手伝いができればと思う。

      <終了後に、Martin氏、Fariza講師、そして当社専務の福田と>

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