布留川 勝の人材育成の現場日記

G研報告(141回)「2017年、グローバル人材育成の新しい潮流を捉える(前半:ICT企業様事例)」

2017/03/09

グローバル人材育成

グローバル人材育成研究会(G研)

1月20日(金)、『2017年、グローバル人材育成の新しい潮流を捉える』と題して、
グローバル人材育成研究会(以下、G研)を開催した。
最近、特に案件として多いのが「選抜人材のグローバル化」だ。今回のG研の第一部では、私から「グローバル人材育成の新しい潮流」についてお話をさせていただき、その後、弊社の「選抜グローバル人材育成プログラム」を導入いただいたICT企業(以下、A社)の人材育成ご担当者様に事例をお話しいただいた。

まず、「グローバル人材育成に関して、今年こそは今までのやり方を変えたいと思っていること」をテーマに、参加者の人事の方々にディスカッションをいただいた、
すると、「異なる文化の中で現地スタッフを上手くマネジメントできる人材を育てたい」「会社がM&Aをし、外国人社員数が日本人社員を上回った。日本人社員の英語力、グローバルビジネススキルを上げることが急務」「国内でも海外でも仕事ができる人材をどのように育てていくか試行錯誤している」といった様々な課題がでてきた。

 

続いて私より、「グローバル人材育成の新しい潮流」についてお話した。

弊社では、企業の国内トップ級の人材をグローバル化する「選抜グローバル人材育成プログラム」を実施させていただいている。「選抜グローバル人材育成プログラム」とは、国内で活躍してきたトップ級の選抜人材を対象に、1年間かけて、グローバルリーダーの育成を行う。ワークショップの言語は英語で最終的に役員に対して英語で成果発表を行う。プログラムは各社のニーズに応じてカスタマイズされている。

「選抜グローバル人材育成プログラム」を通じて感じるのは、国内で活躍してきたトップ級の人材がグローバル化することで、組織全体が生き生きしてくるということだ。国内でトップ級の人材は、周りへの影響力がある。国内トップ級人材は元々の能力が高く、研修中の取り組み姿勢は真剣そのものであり吸収も早い。
1年間の研修後には、国内で活躍してきた「ローカル型(L型)」人材のトップ層を「国内でも、グローバルでも適応できるリーダー人材(GL型)」に育成しプールしていく。そして、部長、課長、主任の各階層の国内トップ人材20%をGL型人材にすることで、各階層トップ層の意識改革につながり、ひいては会社全体がグローバルに対応できる組織に変革する組織開発的な意味合いがある。

弊社の「選抜グローバル人材育成プログラム」を導入いただいたA社に具体的な事例を発表していただいた内容の要約が以下である。

■背景
今回、ご登壇いただいたA社は、現時点でのグローバル売上比率は低いものの、将来の外部環境・経営戦略を見据え、今からグローバル人材育成を本格的に実施する必要があるという背景から、半年間のプログラムを導入いただいた。

■成果
半年間のプログラムを通じて、参加者全員が自分をグローバルリーダー化する、英語学習を習慣化し、研修終了後も自分にとって効果的な学習法を継続していく決意をしたこと。そしてグローバルで活躍できる MBAフレームワークやプロレベルのコミニケーションスキルとマインドを身に付けたこと。

■成功の秘訣は?
A社では、プログラムの中で社長からのメッセージを伝えたり、社長レターや経営方針を説明する場などでも、グローバル人材育成や同プログラムが人事企画ではなく、「会社の施策である」というメッセージを出し続けた。
そのため、受講生自体が、会社がグローバル人材育成に本気で取り組んでいることを感じてプログラムにも積極的に臨むことができた。また、受講者同士でコミュニケーションをとるためのメーリングリストを人事部が作成したり、受講生が英語学習のための「ランチ会をしたい」などといった主体的な動きをした場合は、そうした活動を実施しやすいように人事側でサポート・後押しをした。今では、「社長お墨付」のプログラムになっている。

今後は、卒業生が社内講師となる研修や、選抜グローバル育成研修の卒業生が体験を語り、講師となっていくような場、そして、本プログラムの卒業生の会を作り、定期的に情報交換をする等、本プログラムで学んだことを継続できるような仕掛けを考えているそうだ。

その後、参加者の方からも多くの質問をいただき、活発な議論の場となった。

(後編へ続く)

グローバル人材育成研究会のお申込はこちら

関連記事

人気記事

グローバル人材育成研究会【G研】のお申込みはこちら

ページ上部へ