布留川 勝の人材育成の現場日記

赴任前研修再考:「行けば何とかなる」は幻想になった

2011/09/06

グローバル人材育成

先週G研第69回を開催した。天気予報では台風が近付いていたが、多くの方々にご参加いただき中身の濃い有意義な会だった。
私のパートでは、「再考:赴任前研修」を取り上げた。ここ数年日本企業の新興国現地法人で赴任者の評価の低下が著しい。これは構造的には日本人の能力の低下というより、ローカル社員のハイスペック化が起因している。すなわち、日本人と新興国社員の間には「賃金差大・能力差小・逆転」現象が起き、そのことが日本人赴任者への不信感へのつながっているのだ。だれでも、給料が高くて能力が低い人には不満を持つ。

しかし、そんな状況においても日本企業の赴任前研修はそのスピードについて行っていないのが問題である。今でも、赴任直前3日間研修で現地に赴く。「行けば何とかなる時代」は終わっているのにだ。

私は今回その対策について述べ、各社の課題についてグループワークをしていただき今後の方向性についての再考する場を持たせていただいた。

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そしてパート2のゲストは弊社のパートナー講師の松浦恭也氏に初登壇いただいた。松浦さんはロンドンPWCで戦略投資コンサルタントとして活躍し、当時外部コンサルタントとして企業の事業再生に熱い思いで取り組んでいた。そして今も変わらない熱い思いを持って事業提案を通して次世代リーダーの育成に取り組んでいる。
松浦講師の熱い思いとグローバルで培われたナレッジは研修を通して受講者へと引き継がれている。その思いとナレッジに後押しされ、研修内で策定した事業提案が実際に事業化したこともあるほど、完成度の高い提案が仕上がる。

松浦講師の過去の実際のグローバル事業提案型研修の結果についてのコメントが印象的であった。「受講者には大変厳しい研修である、しかし、この研修を本気で取り組み、やり遂げた方はその後リーダーとして抜きんでている。もちろん、事務局サイドでリーダーになってほしい人材を選定している背景があるが、研修を通してグローバルでの現場を自分の目で見て、消費者の声に耳を傾け、経営者視点で実現可能な提案を模索することでリーダーとして大きく成長していくように思える。」

やはりリーダーには「鳥の目」と「虫の目」両方兼ね備える事が必須要件だと改めて感じた会であった。

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